あさひが丘

幡豆の矢穴石(やあないし)について

矢穴(やあな)とは石を切り取るときに掘られた穴です。
矢穴を使って石を切り取る方法は、戦国時代の終わり頃から使われ始めており、道具を変えつつ現在も使われています。
名古屋城の石垣には、「矢穴」が残された石が多く見られます。


愛知こどもの国にある矢穴石(西尾市幡豆町)

名古屋城にある篠島(しのじま)の矢穴石


石の切り取り方

  1. 「セットウ」と「ノミ」という道具で、切り取ろうとするラインに沿って矢穴を彫ります。
  2. 次に矢穴に断面が三角形状の「ヤ」を差し込み叩きます。
  3. ヤが叩かれると矢穴を押し広げるように力が加わり、矢穴に沿って石が切り取られます。
  4. 割れた面には「歯型」のような矢穴の列の跡が残ります。

思い通りにいかない切り取り

しかし、矢穴を彫っても思い通りに切り取れるとはかぎりません。
石には目と呼ばれる割れやすい方向があり、矢穴が目に沿っていなければ割れません。
また、矢穴が目に沿っていても割れなかった石もあります。
そのような石には表面に矢穴の列の跡が残ります。

愛知こどもの国にある矢穴石

愛知こどもの国にある石は、江戸時代に掘られたと考えられ当時の石を切り取る技術の一部を観察できる資料です。
幡豆町には八貫山、前島、沖島、寺部海岸、東幡豆 西丸山海岸、東幡豆 紺屋谷戸(こんやがやと)、愛知こどもの国の周辺などに矢穴石が点在しています。
石垣研究家の高田祐吉先生によれば、石に記された刻印は担当大名を特定できる貴重な資料であり、例えば鳥羽八貫山で発見された四種類の刻印は、加藤清正に属する刻印で清正が名古屋城の石垣を築くために幡豆で石を採取したと言われています。
幡豆町史には、「昔、樫の木で作った矢を打って石を割り、その矢穴の容積だけの米を貰った」という古老の話が掲載されております。


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